一時帰国した棚橋選手に、改めて菅林社長がIWGP挑戦を要請!
11月13日、アメリカTNAに遠征していた棚橋弘至選手が一時帰国。これを出迎えた菅林直樹社長が、改めて棚橋選手へIWGPヘビー級王座挑戦を要請した。
全日本プロレスの武藤敬司選手に奪われたまま、半年間で4度の王座奪還に失敗しているIWGPヘビー級王座。一時は“白旗宣言”すらした菅林社長が、最後の切り札として次期挑戦者に選んだのが棚橋選手だった。急遽アメリカに飛んだ菅林社長は、フロリダのクリアウォータービーチで棚橋選手に直談判。ところが、TNA参戦で手応えを掴んでいた棚橋選手からは、色よい返事をもらうことができなかった。
棚橋選手によると、この日の一時帰国は、TNAでのスケジュールが空いたため。その間に身辺整理などをして、またアメリカへ戻る予定だという。すると、これを知った菅林社長が成田空港で棚橋選手を出迎え、改めてIWGP挑戦を要請したのである。この日で32歳の誕生日を迎えた棚橋選手に、真っ赤な花束を手渡すという熱の入れようだった。思わぬ歓迎を受けた棚橋選手は、「年頃の娘じゃないんでね」と照れ笑いを浮かべつつもまんざらでもない様子。菅林社長のプレゼント攻撃は、とりあえず効果があったようだ。
=棚橋選手、菅林社長のコメント=
菅林「今日、TNAから連絡があって、棚橋選手に対して非常にいい評価をもらいました。私もPPV大会を実際に会場で観たのですが、格段にいい試合になっていたし、体も大きくなっていました。よほど、(TNAで)いい経験をしたのでしょう。(改めて)私たちはIWGPの次期挑戦者として棚橋選手を挙げたいと思います」
棚橋「アメリカに行く目的として、調子が悪いのを何とかしようとか、スランプがどうのこうのとか、そういう考えがあったんですけど、いや〜、調子がいいです。というか、俺にスランプはなかったなと。気のせいだったんじゃないかと。そんな気がします。向こうは凄くいい環境で、新日本プロレスに入門してから一番練習しました(笑)。TNAのマットはまだまだ魅力的だし、社長がこうやってIWGPの挑戦者に名を挙げてくれているのはうれしいんですけど、(気持ちは)自分の中では半々です」
菅林「まぁ、そうは言っても、私が棚橋選手を挑戦者に挙げたいという気持ちに変わりはありません。今は帰国早々で色々と疲れているでしょうし、これから相談して、少しまた説得してみたいと思います」
棚橋「もうちょっと待って下さい。あと1週間待ってもらったら、俺の中で決断をしっかりしたいと思います」
=マスコミとの質疑応答=
–再びTNAに戻る?
棚橋「また(参戦の)オファーが来ているんでね。調子はいいんですよ、俺。でも、まだ何も結果を残してないし、残せる可能性があるというか。俺はどこいっても順応できるんで。俺の順応する能力は光よりも早いんで。今回のTNA参戦はイントロデュースで『棚橋弘至はこういうのだよ』っていうのをやって来たぐらいなんで。ここでやめたらもったいないなと思いますね」
–TNAで目標ができたと?
棚橋「TNAでも、新日本でも、俺が中心じゃないと気が済まない。(TNAで)中心じゃないということは、これから中心になる可能性がある人物ということで、前向きに捉えている」
——IWGP挑戦に対する棚橋選手の意思は、あくまでも“半々”。もし、要請を受けるとしても、特に自分から要求することはないという。よほど心が揺れているのか、もらった花を利用して「TNA……、IWGP……、TNA……、IWGP……」とマスコミの前で花占いをし始めた。
TNAか? IWGP挑戦か? すべての答えは棚橋弘至の心の中に委ねられた……。